「勉強しない議員が一番いいですね」
これは、以前、とある役所の職員(間違っても福岡市役所ではありません)に言われた言葉です。
選挙って気持ち悪い、に続くなかなかの衝撃的な一言です。

このお役人の放った一言を翻訳すると
「政策に詳しすぎる議員はめんどくさい。なまじ詳しいから、こっち(役人)のやることにいちいち難癖をつける。今どき公的な権力を使って悪い事をしようなんてありえないのに。こっちがやろうとする事業は議会で右から左に流してくれればそれでいい。そうしてくれれば、質問の答弁や説明の手間が省けて仕事がはかどる」
と、いうことらしいです。
なかなかの暴言ですが、酒の席での愚痴でしたのであえて物申しはしませんでした。
全ての公務員がこう考えているとは思いませんが、この役人の中では本音だったんでしょう。

私は、役人が「悪いことをしよう」だとか「私腹を肥やそう」だとか「楽をしよう」だとかそんなことを考えながら施策を考えているとは思いません。広く公共の利益にかなうような施策を必死に考えていると思います。
しかし、その施策を疑問に思うところはあるし、それは違うだろ、と思うところもあります。これは、どっちがいい悪いの話ではなく、どういった市政を目指すのかの方向性の違いだと思っています。
「お金使って派手なことをやって、人を呼び込んで経済を回して、元気な福岡市を」と考えるか「まずは、全ての人の生活が安定することが第一、生活基盤を整えることにお金を使おうよ」と考えるか。限りあるお金ですから、福岡市や市民にとってどっちが有意義な使い方なのか精査をしなくてはいけません。

で、この「精査」こそが議会なわけです。精査するためには知識が必要です。仕組みも知っていなくてはいけません。肌感覚で精査していたら判断を誤ります。だから勉強が必要なわけです。
冒頭のお役人から言わせれば、「それは優秀な役人に任せてよ。悪いようにはしないから」ということになるのかもしれませんが、それでは議員がいる意味がありません。
色んな立場の人から支援を受けて、その代弁者として議会にいる議員には施策に物申す義務があります。

昔は当選インタビューで「これから頑張って勉強します!」と高々に宣言する新人議員を見て「勉強してから立候補しろよ!」と突っ込んでいましたが、議員となった今思えば、いやいやいや、当選してからも勉強は必要です。と、言いますか毎日勉強です。全てが勉強です。
これは私の個人的な信条ですが、福岡市議会議員になったからには福岡市政全般に明るくありたい。自分の得意分野だけ磨いていてもそれはただの自己満足。ですので、余談ですが、当選直後に常任委員会決めをするときにこれまで全く興味の無かった道路や水道、地下鉄やゴミを審議する生活環境委員会を選びました。
以前、似たようなことをSNSに投稿した際、「お前の勉強のために税金払ってるわけやないとぞ」と有権者から痛烈なお叱りを受けたことがありましたが、やはり、何と言われようと勉強はしなくてはいけません。

昨日は消防行政を取り上げた補足質疑が終わりました。早速今日から予算委員会分科会が始まっています。各局の令和三年度予算を審議する大切な委員会です。
なので、委員会に物申しができるように、今日もこれから勉強します。

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