久方ぶりのブログとなります。
皆さん、お元気だったでしょうか。
4月に2期目の当選をさせていただいて以来、6月議会に向けて準備万端整えてきました。
今回の定例会では一般質問で登壇ということになりましたが、一般質問は会派の人数配分を考えるとほぼほぼ年一回しか回ってきませんので自分なりに気合を入れて臨みました。
質問テーマは「放課後児童クラブでの昼食提供を求めて」並びに「おたふくかぜワクチン接種希望者への助成を求めて」の求めてシリーズです。
これは、選挙期間や日頃の活動の中から市民から上がった声で、選挙当選直後からやろうと決めていたテーマです。

ということで、それぞれ解説をしていきたいと思います。
まず、「放課後児童クラブでの昼食提供を求めて」です。

共働きや核家族が当たり前となった今、放課後児童クラブの重要性は益々高まってきています。私も娘が今年からお世話になっているということもあって、保護者から色々とご意見をいただくようになりましたが、とりわけ多いのが長期休業中、実費負担でいいので昼食提供をしてほしいという要望でした。
現在、福岡市の放課後児童クラブは長期休み中に通わせる場合は弁当持参が原則です。朝のお弁当作りというと、一見すると日常のほのぼのしたささやかなワンシーンですが、確かにこれが何十日も続けば大きな負担となります。仕事の都合で朝早く出なくてはいけなくなった、寝坊してしまった、そんなときどうするか。大体の人はコンビニに走ってパンやおにぎりを買って持たせる、なんてことをされているのではないでしょうか。こういう時に電話一本クリック一つでお弁当が注文できれば、ちゃんと栄養バランスの取れた昼食をなんの後ろめたさもなく子どもは食べられます。こんなありがたいことはありません。
そんなシステムが福岡市の放課後児童クラブに導入されれば、との思いでの質問です。
いきなり、「福岡市は導入する気はないのか?」と問うてしまえば、そのまま終わってしまいますので、まずは放課後児童クラブの運営がどうなっているのか、そこから探ってみました。

【田中質問】
福岡市の放課後児童クラブは何に基づいて運営されているのかお示しください。
【教育委員会放課後こども育成課】
「福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例」及び「福岡市放課後児童クラブ事業の実施に関する条例」並びに関係規則・要綱などによる。

【田中質問】
運営主体は何か、また、構成について説明願います。
【教育委員会放課後こども育成課】
・福岡市においては、市が運営を委託する運営委員会が主体となる。
・運営委員会は、開設校の教職員代表、PTA代表、入会児童の保護者代表、校区内の社会教育関係機関及び団体の代表などから若干名をもって構成することとしており、メンバーは各運営委員会において決定する。

【田中質問】
本市の放課後児童クラブが運営委員会方式を採用している理由についてお示しください。
【教育委員会放課後こども育成課】
放課後児童クラブを利用している保護者をはじめ、PTAや地域、学校などからの放課後児童クラブに関係する様々な意見や、地域の状況を踏まえて運営するため。

【田中質問】
運営委員会で決定できる権限の範囲についてお示しください。
【教育委員会放課後こども育成課】
福岡市放課後児童クラブ運営委員会設置要領において、
〇児童クラブの運営に係る年間計画の立案・実施
〇会費額の決定及び会費の徴収並びに予算・決算
〇総括支援員等への職務遂行上の助言
〇専用施設の破損、事故防止等に対応する措置、
〇補助支援員の配置
〇その他、児童クラブ事業の効果をあげるために必要な事項についての研究協議
と定めている。

なぜ、運営形態について確認したのか。
これは、「昼食提供OK!」の判断は誰にできるのか、これを確認するためです。
保護者で決められるのか、運営主体で決められるのか、それとも教育委員会で決められるのか、そこが分からなくては質問になりません。教育委員会に決定権がないのに教育委員会に議会で質問・要望していても仕方ありませんから。
そこでまずは運営形態について確認したわけですが、「地域の実情に沿った自主的な運営を可能とするよう運営委員会方式が採用されており、各校に地域の方々を中心とした運営委員会が設置されている。その運営委員会には実に幅広い決定権が与えられている」ということが分かりました。ならば、運営委員会が「うちの放課後児童クラブでは昼食提供OKよ」とできるのか。
では、いよいよ具体的に切り込んでいきます。

【田中質問】
長期休業中の昼食提供について、運営委員会で審議し、決定することはできるのかご所見をお聞かせください。
【教育委員会放課後こども育成課】
昼食の提供は、要綱において運営委員会で決定できる事項として定めていない。

実に幅広い権限を与えられている各校の運営委員会ですが、そこでは「他校と違ってうちのクラブは昼食提供しますよ!」という決定はできないということが分かりました。
そこで、以下の質問です。
【田中質問】
先ほど、運営委員会の決定の権限をお伺いしました。その中で、「その他、児童クラブ事業の効果をあげるために必要な事項について、研究協議」とありましたが、昼食提供の可否について審議・決定することがなぜこの項目に該当しないのか、昼食提供の決定権がどこにあるのかも含めて、理由をご説明ください。
【教育委員会放課後こども育成課】
給食の提供は、開設時間や開設日と同様に、放課後児童クラブ事業の根幹に関わるものであり、実施する場合は条例や規則、要綱等で規定する必要があることから、決定権は事業の実施主体である福岡市にある。

つまり、昼食提供というのはテーマがでかいので、一括して教育委員会が判断します、とそういうことになります。
教育委員会がやります!と決断してくれれば導入可能な話なのです。
では、昼食提供をしてほしいという声を教育委員会はきちんと受け止めているのでしょうか。
【田中質問】
昼食提供について、教育委員会にはどのような声が届いているのか教えてください。
【教育委員会放課後こども育成課】
長期休業中に毎日弁当を作るのは大変なので、昼食を提供してほしいという意見をいただいている。

声は届いているそうです。そういうニーズがあるんだな、というのは教育委員会も認識はできている。
では、そういった声を受けて、
【田中質問】 
教育委員会として保護者に対するニーズ調査などは行われたのか説明願います。
【教育委員会放課後こども育成課】
解決すべき様々な課題があることから、保護者へのニーズ調査を行うには至っていない。
 
ここらあたりから、教育委員会の答弁が私の中では?マークが灯りだします。「課題があるからニーズ調査をしない」意味が分かりません。ということで、議会質問する私の熱がこもっていきます。

普通に考えれば、教育委員会に「昼食提供をしてほしい」という声が届いたなら、現実にどれぐらいの保護者が求めているのか調べるのが初歩だと思うわけですが、教育委員会はそうは考えないそうです。
昼食提供を求める保護者が全体でどれほどいて、どんな方法を望んでいて、そういったあたりをまずは調査をして的確に把握する。それを踏まえて、では、どうしたら保護者に寄り添う形になるか課題点を洗い出し、その課題解決のための努力をする。これが手順だと私は思うのですが、教育委員会はそうは考えないそうです。
ただ、この答弁には、ニーズ調査をしてしまうと「あ、教育委員会はやる方向で考えてくれているのね!」と勘違いされてしまうという教育委員会の思惑もちらほら見え隠れします。現時点でやる気がないのに、市民に変な誤解を与えかねないという危惧は分からないでもない。なので、「解決すべき様々な課題があることから、保護者へのニーズ調査を行うには至っていない。」の答弁には「解決すべき様々な課題があることから、まだまだその課題解決の道筋も立っていないので、話が先走って市民をぬか喜びさせないように、保護者へのニーズ調査を行うには至っていない。」という思いをギュッと縮めたものと私なりに受け止めました。
ですが、しかし、それでいいものか。まずは保護者の実態調査というものをすべきだと私は考えます。

では、いよいよ核心ですが
【田中質問】
長期休業中における放課後児童クラブでの昼食提供について、福岡市の見解についてお聞かせください。
【教育委員会放課後こども育成課】
・学校給食が法令に基づき学校教育活動の一環として実施されている一方で、放課後児童健全育成事業における昼食の提供については関連法令の規定はなく、政令市において本格実施しているところはない。
・提供の仕組みや環境を整えるためには、衛生面、アレルギー対応などの安全面、それらを担保するための人員体制や職務の内容など様々な課題がある。
【田中質問】
各校の運営委員会や保護者間で同意が得られるのであれば、教育委員会として認めることも選択肢としてあっていいのではないかと考えますが、ご所見をお聞かせください。
【教育委員会放課後こども育成課】
保護者主導であっても、昼食の受け取り、保管場所、児童への配食、容器や残飯の回収などが必要となり、それらへの協力の範囲や、会計年度任用職員である支援員の職務の内容や責任など、放課後児童クラブ事業を実施するうえで整理すべき課題があると認識しており、他都市の事例や現場の意見などを踏まえながら研究していく。

結論からすると、これは「今はやらない」と言っていると同義です。やはり、教育委員会の壁は高い。
わざわざ「政令市において本格実施しているところはない」と言っているあたりに、教育委員会の強固な意志を感じます。
しかし、他都市ではやっているのです。他政令市でもやろうとしています。現に、札幌市は本格的な展開を見据えてすでに試験施行を始めています。広島市も保護者アンケートを基に今年度から始まることが決定しています。奈良市は現場職員の負担軽減のために弁当宅配業者と協力して弁当注文システムを開発しました。八王子市では給食センターを活用して温かいご飯を提供するようにしました。
福岡市の教育委員会は様々課題をあげてやらないことを正当化しようとしていますが、衛生面を課題とするなら、これだけ高温多湿の中で冷蔵設備のない放課後児童クラブに朝から弁当を持っていく方がよほど心配です。アレルギーも他の自治体では対応できています。人員面にしても、支援員さんの待遇を見直してしっかり確保すれば解決可能です。
確かに昼食提供をしている他都市も同様の課題はありました。しかし、そういった課題を保護者や民間業者と連携しながらクリアして、事業化にこぎつけています。
要は、教育委員会がどれだけ本気度を持って取り組めるかにかかっているんですが、今回の答弁を聞く限りその本気度は感じられませんでした。
実は、この昼食提供を求める質問は2006年にも福岡市議会でされていますが、同じように「今後他都市の状況なども参考に研究していく」という答弁でした。当時は所管局が教育委員会ではなく子ども未来局でしたが、あれから17年、一体何を研究してきたのでしょうか。所管局が変わったからと一から研究し直すつもりなのでしょうか。
我々議員が要求するものに対しては、役所には役所の理屈があって、できないという判断に至るものももちろん多々あるでしょうが、これについては、厳しく言うと教育委員会が保護者の要求や気持ちに寄り添おうとせずに自分たちの都合だけで突っぱねているようにしか見えません。もう怒りしかありません。
そもそも、放課後児童クラブは1960年代、とにかく子どもの安全安心な場所の確保、これが最大の目的で始まった事業ですので、当時から現在に至るまで食事提供という発想がありませんでした。しかし、それから60年近く経ち、働き方や家族の多様化がさらに進みました。もうあの頃と違うんですから、今の時代に見合った柔軟な対応をすべきですが、そういう前向きな答弁は皆無でした。非常に残念です。

支援員さんに話を聞くと、お弁当というのは親子関係や家庭環境を見る上で実に大きなヒントになるそうです。毎日持ってくる弁当の手が込んでいれば「それだけ愛情かけられているのかな」とか、毎日同じ献立の弁当だと「保護者は生活に時間的な余裕がないのかな」とかいろいろ見えてくるものがあるそうです。一昔前は、親子で一緒にお弁当作るという行為がスキンシップに繋がり食育にもなる、という考えがあったとも聞きます。
しかし、今の時代、これだけ働きに出る保護者が増えた中でお弁当の中身で家庭環境まで推測されているとしたら、大きな見当違いだと思います。どんなに愛情をかけている子にだってお弁当は鮭弁一択という家庭もあるでしょうし、茶色一色というお弁当もあるでしょう。お弁当の中身がそのまま親子関係や家庭環境を反映させていると考えるのは飛躍しすぎのような気がしますがいかがでしょうか。

ここまで言っておいてなんですが、実は今回の質問作成を通じて教育委員会に様々ヒアリングをしましたが、最後まで「やる気はない」とは言いませんでした。つまり、「将来的にはやる可能性もあります」という雰囲気は何となく感じるやりとりもありました。粘り強く働きかけていけば、他政令市も少しづつやる方向で動いていますので、福岡市教育委員会の方向も変わるかもしれません。
第一、福岡市の高島市長は「全国初!」とか「政令市初!」というのが大好きですから。
私はそこに大いに期待したいと思っています。
ちなみに、そんな期待を込めて市長にも最後に認識を問いましたが、当然、前向きな答弁は言ってくれませんでしたけど。
あとはぜひ、保護者の皆さんに積極的に声を上げてほしいと思います。今回の質問で意外だったのは「だって、はなっから昼食提供なんてしてもらえないと思っていたから、要望なんてしても意味がないと思ってた」という声が多かったことです。
ルールでそうなってんだからどうせ無理でしょ、という声。
決してそんなことはありません。
このブログを読んで共感してくれる保護者の方がいたら、一緒に声をあげましょう。
私もできる限りのお手伝いをさせていただきますので。

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