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前回の河川の治水対策に続いて、今回は河川ゴミ対策についてです。
今日は、多少の怒りを持って書きます。

まず、この写真。

別に、珍しくもなんともない川の中州に散乱する河川ゴミです。どこの川でも注意深く見ればあるものです。
しかし、この川ゴミ、誰が回収してくれているのでしょうか?

答えは、市民の皆さんです。
行政はほとんど回収しません。というか、できません。理由は、あまりにも多すぎてこれを行政が回収しようとしたらとんでもない手間とお金がかかるから。
だから、市民に協力してもらいながらゴミを回収している。
行政は「何とかしなきゃと」言いながらも、できないので市民に頼っている。
まずは、この行政のスタンスを踏まえた上で以下読んでください。

近年、海洋ゴミが大変な問題になっています。マイクロプラスチック汚染の問題とも相まって世界的に何とかしないと、という機運が高まっていますが、この海洋ゴミというのは多くが陸由来のものです。
つまり、川から海に流れ出している。私たちが目にするあの川ゴミが流れ流れて海に辿り着き、分解されて海を汚し、海洋動物の生態系に影響も与えてしまっています。
なので、市としても、河川ゴミ対策を何とかしないと、という点は認識しています。
では、具体的にどういった施策をしているのでしょうか。市の答弁では、
「河川ごみの実態把握のため、令和元年度は室見川及び金屑川で回収した河川ごみの組成調査を実施し、2年度は樋井川流域の河川ごみの個数・組成・分布状況等を調査するとともに、河川ごみ分布マップを作成した」
「結果は、ごみ削減を啓発するパンフレット等に掲載するとともに、出前講座や環境学習などに活用し、実践行動につながるよう取り組んでいる」
「ポイ捨て禁止を周知する看板を地元地域と協議のうえ設置している」

確かに大事な施策ですね。
特に、調査については、樋井川では組成調査だけでなく分布や量などの詳細な調査も行われたということで、一歩進んだようにも見受けられます。
河川ゴミというのは広範囲に低密度で散乱していますので、なかなか可視化されません。パッと川を見た時に、「うわ!ゴミが浮いてて汚い!」という河川は昨今は滅多に見られません。
それはいいことなのですが、逆に言うと、そのために河川ゴミに対する市民の問題意識の醸成を阻害しているとも言えます。これは、質問では取り上げませんでしたが、大阪府では川にあえてネットを張って、そこに流れ着いて引っかかるゴミを市民に見てもらうという取り組みもされています。それだけ視覚に訴える効果は大きいということです。
ですので、河川ゴミの可視化を図り市民に「この川にはこれだけのゴミがある」ということを知っていただけるように、他の河川での詳細調査と河川ゴミマップの促進を要望しました。

ここまではいいです。
私が今回の質問で問題提起したかったのは、「すでに河川に浮遊しているゴミ」これをどうするんですか?海に流れ出すのを待つだけですか?というその点です。
先ほどちらりと触れましたが、河川ゴミを行政はほとんど回収していません。しているのは浚渫や工事の時に「治水の安全などの緊急性」を要した時に行われるだけです。つまり、また意地悪な言い方をすれば「ついで」ですね。環境美化の視点から言えば不十分。
しかも、河川ゴミ回収は環境行政を所管する環境局ではなく、河川管理者である道路下水道局が行うこととなっています。ですので、環境局は道路下水道局のやり方に物申すような「どうせやるならもっとやってよ」ということは言いませんし、道路下水道局にしたってちゃんと川の流水量が確保できれば問題無いわけですから、必要以上のゴミ回収などやる気はありません。
もろに縦割り行政の弊害です。

そこで、市民の清掃団体が登場します。
しかし、清掃団体と言っても色々です。河川清掃そのものを活動の主軸に置いている団体から、野鳥の会など動物愛護の観点から活動の一環で河川清掃をしている団体、大学サークルなどのゆるい繋がりの中でやっている団体、町内会などの自治会からNPO、企業まで本当に様々。
現状は、これらの団体が好意で思い思いに清掃しているということです。
しかし、それぞれの団体で活動頻度や参加者人数、環境への意識も違いますから団体間の連携が十分とはいえません。そのため、例えば清掃場所が重なる、清掃に行ってみたらすでに別の団体が清掃を終えていた、などの非効率な面もあるそうです。また、最近は高齢化や参加者の減少で、思い通りに活動できていない団体も多いと聞きます。
それぞれが悩みや課題を抱えながらも、でも「川はきれいにしないといかん!」と頑張ってくれているわけですね。

今回の質問を機に、私も清掃に携わっている色んな方に話を聞きました。
「団体同士で意見交換できる場を行政に作ってほしい」「市は相談が来れば受けるという待ちの姿勢ではなく、団体と積極的にかかわり、実情に合った支援をしてほしい」「相談してもたらい回しにされるので窓口を一本化してほしい」という声がありました。
そこで、今回の質問ではまず、
「それぞれの団体の活動状況や課題、困りごと、要望など実態を掴むような調査、これは行われているのか」
これを問いました。まずは、それぞれの団体の実態の知らなければ本当に欲しがっている支援はできないと考えたからです。
その答弁がこちら。
「清掃活動を実施してある全ての団体を対象とした、個別の実態を把握するための調査は実施していないが、活動状況については、清掃実施の連絡やごみ収集の依頼などを通じて把握している」
「相談や要望については、区役所の生活環境課を窓口としてお受けしており、状況を把握し、地域の実情に応じて、きめ細やかに対応している」
実態調査はしていない、が、現状は把握している・・・
相談が来れば、きめ細やかに対応する・・・
市に「アウトリーチ」という概念はないんでしょうか。
少し消極的に過ぎませんか、受け身すぎませんか、というのが率直なところです。

では、そんな団体に対して市はどのような支援を行っているのでしょうか。
そこを質問してみましたが、その答弁がこちら。
「清掃用具の貸し出し、専用のごみ袋配布とごみ収集の支援を行っている」
え?それだけですか?と私は声を大にして言いたい。
もちろん、皆さんこの支援には感謝していました。しかし、もうちょっと何とか支援してくれよ、と思っているのが現状なんですよね。

そこで、一つ要望をしました。
昨年の質問でも取り上げた福岡市職員の中にいる「環境業務員」を有効的に活用してみてはいかがと。
「環境業務員などの人材を、各団体の実態調査の際の要員、または団体間の調整役や清掃現場における相談役などに充てれば、清掃団体のニーズに応えられるのではないかと思いますので、せひ、専門的に配置していただきたい」
環境業務員は、直営のゴミ収集の現場業務や各区生活環境課の業務を通じて、廃棄物に関する専門知識はもとより地域事情や人間関係にも精通しています。彼らの頭の中には「誰々がどの団体に所属していて、その団体はいついつに活動をしていて、最近はこんな困りごとがあって」というのが結構詳細に入っています。これを生かさない手はないのではないかと訴えたわけですが、理由は置いときますが当局はこれもかなり後ろ向きです。

話をすっきりさせるために、整理しますが、
■河川ゴミ何とかしたいと思ってるけど
■自分たちにできないから(行政が河川ゴミ回収するのは現実的に無理)
■あなたたちにやってもらってるけど(市民や清掃団体が労力かけて好意で回収)
■もう少しなんとかしてくれ、と言われても(実態調査による詳細把握、連携のための仕組みづくり)
■私たちもできることはしてるので(ゴミ袋提供、出たゴミの回収、相談されれば対応する)
■それ以外は各々でよろしくね(団体の自主性の尊重、という名のもとに)
こういう構図に(少なくとも私には)見えます。

自分の家に置き換えてみましょう。
誰かが勝手に自分の家の庭にゴミを捨てていきます。だけど、自分にはそれを拾って処分するお金も時間もありません。ゴミはたまる一方。それを見かねた親戚や友人が「仕方ないな~」と言いながら貴重な休日をつぶしてゴミ処分やってくれているのに、「私、他に用事あるから、あとは皆でやってね。うちの敷地にゴミ捨てないように看板は立てておくから。あ、何かあったら携帯に電話ちょうだい」と言って出かける。
家族関係も友人関係も崩壊します。

昨年6月の一般質問でも言いましたが、「市民と共働ですすめるまちづくり」「市民は市政のパートナー」「行政と町内会(市民)は車両の両輪」と言いながら、その市民の要望にはずいぶんと淡白すぎる気がしてなりません。
少し本題からずれますけど、ここは言っておきたいのですが、市民や団体の自主性はもちろん尊重されるべきですが、自主性を尊重することは放置することや好き勝手にやってもらうとは意味が違うはずです。
むしろ市民が主体的に自主性を持って活動できるように、市が積極的に支援やその枠組み作りをするべきだと思いましたが、今回の質問ではそこが噛み合いませんでした。
とりつく島もありません。何せ「市としてはやれることはやっていると考えています」という認識(らしい)ですから。

河川ゴミに焦点を戻しますが、環境局が主張する「河川ゴミ対策には排出抑制が大事である」というところは、そこは私も同じ認識です。
しかし、排出抑制をどんなに頑張っても現実問題として河川ゴミは一定量出ますし、その河川ゴミは行政の回収では追いつかないので多くの団体が清掃してくれているというがの現実です。
その頼みの綱の清掃団体も困りごとを抱えているところが多いわけですから、これまで以上に実効的な支援策を打たないと、河川ゴミは回収されることなく博多湾など海に流出するだけ。
そんな団体を支援する仕組みづくりを推進して欲しいとの思いからの質問でしたが、行政とがっちりと問題意識を共有するには至りませんでした。

無念さが残る質問となりましたが、この質問についてはその後、会派を問わず多くの先輩議員から「よく言ってくれた、このままじゃいかん」と言ってもらえました。
執行部との認識の共有はできませんでしたが、議員には伝わったことは救いです。

行政資源にも限りがありますので、行政には行政の言い分があるでしょうが、しかしそれにしてもここまで市民との距離感があるとは。
とにかく、言い続けるしかありませんので、今後も色んな場面でしつこく言っていきたいと思います。

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