議会がない時、議員は何をしているのか。                                                                   前回のブログでは議員が発行するチラシについて書かせていただきました。

さて、今回は「政党活動」についてです。何となく格好よく言えば「党務」ですね。                                                政党に所属している議員は、この政党活動を頑張らないといけないわけですが(頑張りの度合いは議員それぞれですが)、では、何を頑張るのかと言えば、一言でまとめると「党勢拡大」ということになります。全てはそこに繋がります。                                                                 政党認知度を高め、政党のアピールをし、政党の主義主張を理解してもらい、党員を増やして、やがては政党所属の議員を議会へ送り込むということです。                議会へ所属議員を多く送り出せば、党の主義主張が政策に反映されることになりますから、党が目指す社会の実現に一歩近づきます。                          理屈としては実に分かりやすいのですが、この党勢拡大活動は時間も手間もかかります。

一人ひとりの議員にできることは限られますので、よほどの有名人でもない限り、自分の言動で政党支持率に影響など与えられるわけありません。自分がコツコツ活動していることがどれだけ党のためになっているのか結果が掴みづらい、モチベーションの維持が難しいという難点がまずあります。                                      さらに、自分はどんなに頑張っていても、党や所属議員が不祥事を起こせばそんなこともひっくるめて批判を一身に受けなければいけません。「確かにそういう党ですけど、私には関係ありません」とは党に所属している以上、言える言葉ではありません。                                                         このように、個人の努力でどうにもならない面がある政党活動ではありますが、政党に所属している議員にはその分の恩恵があります。                         選挙の際の人的物的支援、党幹部による選挙応援、所属議員同士の連携による情報交換や情報共有、政党支持団体による支援などなど。                          このような支援を受けながら、選挙を勝ち抜いて議員をやっている以上、その政党のために汗をかくことは当たり前なのですが、では、具体的にどのようなことをやっているのか。     それを以下でご紹介しますが、これはあくまで福岡県の立憲民主党の場合。他党とは事情が異なりますし、同じ立憲民主党でも県や地方組織が違えばやはり事情は変わりますので、そこはご理解を。

<政党主催の演説会などへの参加や応援>                                                                   今回の枝野代表の街頭演説会のように、党が主催する街頭演説会は多くあります。こういった演説会に参加し一緒に演説することはもちろんのこと、その準備から当日の運営まで議員自身が携わります。下準備は党の県組織が行いますが、事前段階では何日も前から議員同士が集まって役割分担や当日の動きの確認を行い、実際の現場では該当地域の地方議員が責任者となりスタッフを束ねる他、司会なども行います。加えて、各地方議員事務所ごとに支持者・有権者への広報・周知、案内状の発送などを行い、より多くの人に集まっていただけるよう準備を重ねます。今回のように代表が東京から来る演説会となれば、警察や行政との事前打合せ、より広範囲な広報活動、分刻みのスケジュールに対応したスタッフの配置、備品の手配など相応の準備が必要となります。

<党員募集活動>                                                                              立憲民主党はまだまだ歴史が浅い政党ですので、党員数はまだまだです。党員数は政党人気のバロメーターとなりますから、ここは必死になって活動しなければいけません。「党勢拡大」という観点からいえば、これが最も数字として表れやすい部分ではありますし、どれだけ党員を集めたか、というのは議員個人の評価にも直結します。政党によっては、この「どれだけ集めたか」が次選挙の公認可否の判断材料となるところもあるぐらいです。                                                         立憲民主党所属議員がそれぞれ選挙区を駆けずり回って、党員に入ってもらえるよう勧誘するわけですが、戸別訪問、電話掛け、支持団体への依頼、SNSでの発信、色んな方法を駆使しながら党員集めをします。                                                                            で、この党員集めの活動がそのまま「政党の足腰の強さ」となるわけです。「党員集め」の名のもと、あらゆる手法で有権者にアプローチすることは、すなわち政党の宣伝活動にもなりますから。

当然、「立憲民主党は嫌いだけど、あなた個人のことは応援している」と言う方もいらっしゃいます。これはこれで「わぁ、ありがたい」と変な錯覚に陥りますが、やはり立憲民主党に所属している議員としてはいただけません。議員としては個人の名前を認知してもらい、さらに応援してもらえるようになることは大変重要ですが、同時に政党支持者を増やす活動をしなければ本当の意味で「強い政党」は作れません。しかしながら、正直なことを言えば、「自分のこと応援してくれているなら、ま、いっか」と変な謙虚さが出てしまうこともしばしば。改めなくてはいけません。

因みに、立憲民主党は18歳以上で日本国籍があり、党の政策に賛同していただければ誰でも党員になれます。党員(立憲民主党広報誌付き)は年間4,000円、協力党員(広報誌無し)は年間2,000円のご負担をいただきますが、特に義務など生じることはありませんし、代表選挙の投票権が与えられますので、ご協力いただける方はよろしくお願いします。

<役職ごとの会議、または勉強会など>                                                                    立憲民主党の場合、国会議員、地方議員ともに所属議員は何がしかの役職がつきます。党本部、福岡県連、衆議院選挙区単位の総支部、とそれぞれ各層の政党組織がありますが、その中で役職を割り当てられ、党運営に携わることとなります。立憲民主党は全国組織ですので、時には東京に出張する(今はオンラインですが)、他県の議員と会議や交流会などもあり、中には全国を駆け回っている議員もいます。

さらには、党主催の政策勉強会や議員研修会、親睦会や交流会などもあり、これを全て参加していれば結構なボリュームとなります。お題は色々ありますので、大方の議員は自分の活動方針や関心のある政策に絞って参加しているのではないでしょうか。

<選挙>                                                                                  ある意味で政党活動の象徴的なものです。                                                                   同じ主義主張をしている党所属の政治家を議会に送り込むということは、政策実現のための基本の「き」。民主主義の日本においては多数派を形成することが一番の近道です。       ですので、党公認の候補者の選挙はできる限り手伝う、というのは至極当然なこと。                                                特に、今年は秋までに必ず総選挙が行われます。私が所属する福岡3区では、立憲民主党福岡県連の代表でもある山内康一代議士が立候補予定。私も一生懸命お手伝いします。

では、何をやるのかといえば、それはもう多岐に亘ります。                                                           まず、地方議員はその選挙をスムーズに回す、「企画・運営」に携わります。実際の選挙期間(公示日から投票日まで)の活動だけではなく、それ以前から、選挙を見据えた日頃の政治活動をいかに効率よく行うか、段取りを考え、スタッフを配置し、回していく役割があります。それらを話し合う会議に出席しますし、地方議員同士での打合せなどもあります。         さらには、朝の駅立ち、戸別訪問、街宣活動、ポスティング、支持団体対応などの活動にも他の支援者や秘書さんと同様に一運動員として参加します。                 (ただし、これも政党やその国会議員の活動方針によって様々ですので、全ての総支部や国会議員事務所で同様の活動がされているとは言えませんが)                  逆に統一地方選挙などの地方議員が選挙の際は、今度は国会議員が地方議員の活動を支援してくれるわけです。そうやって党所属の議員同士が一致協力し、選挙戦を戦い抜き、仲間を増やしていく。まさに「党勢拡大」の原点ですね。                                                                   地方議会は6月定例会が閉会し、国会も6月下旬に通常国会が閉会しました。例年なら「さぁ、夏祭りだ!(遊びの意味ではなく議員としての仕事の意味で)」と夏モードに入りますが、今年はコロナの影響のため夏祭りもありませんので、少なくとも我々議員は「夏モード」ではなく、すでに総選挙モードです。これから総選挙までの政党活動は、来るべき総選挙が軸になることは間違いありません。

 

ここまでざっと政党活動をご紹介しましたが、政党活動というものを少しは分かっていただけたでしょうか。重ねてお断りしますが、これはあくまで福岡県の立憲民主党の場合です。政党によっては全く違いますし、個々の議員によって所属政党との距離感も違います。活動内容にも濃淡があります。ですので、全ての政党所属議員がこのように活動しているとは間違っても思わないでいただきたいのですが、私が議席を持つ福岡市のような大都市の議会や都道府県議会では選挙の際も各党ともに政党色が色濃く出るため、日頃の地方議員の政党活動も活発です。人口が少ない自治体などでは全ての議員が無所属というところも多いので、表立った政党活動を目にする機会は限られていますが、都市部は政党公認の議員が圧倒的に多い。つまり大方の議員が日々政党活動に汗をかいているわけです。                                                                      「議会が無いときに議員は何しているのか分からん」とはよく言われますが、自分が所属する政党のための活動というのは、議会閉会中の議員の活動時間の中でも結構大きなウエイトを占めています。

「市政向上を最優先すべき地方議員の政党活動がどれだけ市民生活に貢献しているのか」と追及されれば、確かに地方議員の政党活動と市政の向上は一致しないようにも見えますが、しかし、我々政党所属議員は、私たちの政党が掲げる理念や政策が実現できれば市民生活も良くなると信じています。そのために、一人ひとりの活動量はわずかなものかもしれませんがコツコツ活動し、支持者を増やし、党勢拡大をし、各議会に所属議員を送り、政策決定に携われるようにするというプロセスを辿る必要があります。

これからも、「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないですが、自分の政党活動が巡り巡って市民のためになるのだ、と信じて日々活動していきたいと思います。

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